【2025年版】工務店が地域で選ばれるための集客戦略大全|年間20棟から300棟のビルダー向け実践ガイド

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工務店集客に悩むビルダーへ|今こそ見直すべき地域戦略とは?

住宅業界は、人口減少・少子高齢化・価値観の多様化など、かつてない変化に直面しています。

特に中堅ビルダー(年間20〜300棟)にとって、「問い合わせが来ない」「イベントを開いても集客できない」「紹介が途絶えた」といった課題は、日常の悩みとして深刻化しています。

その一方で、SNSやLINE、YouTubeなどを効果的に活用し、集客数・来場数・契約数すべてを伸ばしている工務店があるのも事実です。何がその差を生むのでしょうか?

本記事では、これからの時代に地域で選ばれ続ける工務店になるための“集客戦略”を、マーケティングの視点から解説します。

なぜ今、工務店の集客が難しくなっているのか?

住宅需要の変化と競争激化

2025年現在、日本の住宅市場は大きな過渡期にあります。
新築の絶対数は減少傾向で、以下のような変化が顕著です。

・人口減少による着工戸数の減少
・中古・リノベーション住宅の選択者増加
・大手ハウスメーカー・FC住宅の価格競争力強化

つまり、地域の顧客は以前よりも“住宅を建てない”“建てても選択肢が多い”という状況にあり、
工務店の立ち位置はより厳しくなっています。
※引用:令和6年 住宅経済関連データ

チラシ・紹介に頼った従来型集客の限界

紙チラシやDM、知人紹介は、これまで多くの工務店にとって“主力の集客チャネル”でした。
しかし、2020年以降この傾向は変化しています。

・紙媒体の反応率は年々低下
・紹介件数は、顧客接点が薄いと急減
・比較検討がオンライン中心に移行

情報があふれる今、ただ発信するだけでは“埋もれる”時代。チラシや紹介を活かすにも、
戦略と導線設計が必須です。

「年間30棟の壁」を越えられない本当の理由

多くの地域ビルダーが、「年30棟前後」で頭打ちになります。

これは経営や営業の努力が足りないからではなく、「仕組みが足りない」からです。

・属人的な営業体制に依存
・問い合わせ管理や来場フォローが曖昧
・集客のPDCAが設計されていない

「たまたまの来場」や「一部の営業力」で売上を作っている状況では、
安定して年50棟・100棟には届きません。

集客戦略の基本|工務店が取り組むべき3つのステージ

住宅を検討する顧客は、「知る → 比較 → 信頼 → 行動」という段階を踏みます。
このステップに応じて、集客戦略も3つのフェーズに整理できます。

フェーズ① 認知拡大:「まず知ってもらう」

・Google広告やInstagram広告での地域ターゲティング配信
・MEO(Googleマップ対策)での検索露出
・地域のフリーペーパー、新聞折込と連動したWeb誘導

この段階の目的は、「知られていない会社」から「名前くらいは聞いたことがある会社」になることです。

フェーズ② 信頼構築:「なぜ選ばれるかを伝える」

・HPやLPでの施工事例・顧客の声の強化
・InstagramやYouTubeでの社長・現場・社員の“人柄”の可視化
・OB訪問会やSNSライブ配信など、接点の創出

このフェーズでは、「選ぶ理由」「安心材料」を提供することが鍵になります。

フェーズ③ 来場・契約誘導:「行動してもらう」

・LINE公式アカウントやメールでの継続フォロー
・見学会や相談会の申込導線の明確化
・営業担当との連携による来場前後の対応

ここまで設計して初めて、「問い合わせ→来場→契約」という流れが安定します。

チャネル別|成果が出る集客戦略と落とし穴

Webサイト・LP(ホームページ)

よくある失敗例

・施工事例が3年以上前のものしか載っていない
・スマホで見にくいレイアウト
・CTA(資料請求・見学予約)が目立たない

成果がでる工務店の特徴

・ファーストビューに「自分たちの家づくり哲学」と「CTAボタン」を配置
・“価格帯の目安”や“家づくりの流れ”を明記
・LINE登録・予約フォーム・資料ダウンロードなど複数の入り口を用意

SNS(Instagram・LINE公式・YouTube)

Instagramの活用

・「暮らしが伝わる投稿(家事動線・子育て)」がエンゲージメントを伸ばす
・社長・現場監督・コーディネーターの登場で「人間味」を演出
・投稿→LINE登録→見学予約という導線設計

LINE公式アカウント

・タグ機能で「検討中」「資料請求済」などを分類し、ピンポイント配信
・ステップ配信で自動フォロー(例:「資料請求後3日後に動画送信」)
・見学会の前日にリマインダー送付→来場率UP

YouTube活用

・「家づくりQ&A」「社長の家づくり哲学」を顔出しで語るだけで信頼UP
・見学会前に“参加前に観てほしい動画”を送ることで、面談品質が向上

紙チラシ・DM・ポスティング

成果が出る条件

・反響が出るのは「ターゲットが明確で、時期と内容が合っている」チラシのみ
・チラシに「スマホでQRコードを読み込ませてLINE登録やLPへ誘導」

成功パターン

・イベント前の“号外型”チラシ+LINE登録での特典配信
・チラシとSNS・HPの「統一感」でブランドを印象づける

紹介・OB顧客・地域イベント

紹介を生む仕組みとは

・OB訪問を動画やライブ配信にする→検討者の信頼度UP
・紹介制度+手書きの感謝レター、贈り物でファン化
・「暮らしがはじまってからのストーリー」をWeb/SNSで共有

地域イベントの活用

・見学会だけでなく「防災講座」「ライフプラン相談」など生活密着型が効果的
・子どもが楽しめる設計でファミリー層の来場UP
・イベント中のLINE登録率をKPIに設定

Googleビジネスプロフィール(MEO)

地域ビルダーに必須の“ローカルSEO”

・登録は無料。検索→地図→ルート案内→来場の導線が最も短い
・クチコミへの返信で企業の信頼度が可視化される
・定期的な写真投稿と最新情報のアップでGoogle評価が向上

現場での実践例|棟数を伸ばした工務店の成功パターン

実際の広告宣伝費、来場予約実績、契約実績をご紹介します。ぜひ自社の集客実績と比較してみてください。
当日の準備物やアプローチブックなどの準備物もとても重要になってきます。実際の広告スケジュールやチラシデザイン、広告バナー、イベント内容について詳しく知りたい方はお問い合わせお待ちしております。

お客様の規模によって広告にかけられる費用は異なりますので、あくまで参考としてご覧ください。ただし、共通しているのは、全て自力集客を行っている点です。ポータルサイトに費用をかけるよりも、コストパフォーマンスに優れた集客方法が実現できるようになります。そして、何よりも重要なのは、資料請求ではなく、来場予約をしっかりと獲得できる企業を目指すことです。

工務店の集客成功事例① – 注文住宅の集客例

自店舗への集客を最大化するイベント企画「家フェス」

店舗集客するために通常「マイホーム相談会」のようなデザインで訴求しておりましたが、反応が悪くなってきたため、デザインを一新して「家フェス!」というお祭り系のデザインに大きく変更しました。お子様向けのキッズイベントを用意して親子で楽しめる企画にして親子参加型の来場予約を獲得しました。

ポスティング(デザイン・印刷・配布)350,000円(60,000部)
イベント会場0円
インターネット広告138,000円
ノベルティ・その他準備物350,000円
LP制作費WINK MARKシステム(月額3万円〜)
合計868,000円
来場予約 組数39組
1来場予約 単価22,256円
契約数3組
広告費における1契約単価289,333円

工務店の集客成功事例② – 注文住宅の集客例

店舗集客ではなく産業交流会館(多目的イベントホーム)のレンタル会場

店舗での集客が悪くなってきたので、地域の中心地(駅近)にある多目的イベントホームを1日借りてイベントを行いました。半年に一回の大きめのイベントとするためにキッズを中心とした化石発掘体験や陶器塗りなど賑やかに準備しました。立地が良いことから集客効率が大きく上がった施策となりました。(フリー来場も可能)

 ポスティング(デザイン・印刷・配布)240,000円
 イベント会場15,000円
 インターネット広告105,000円
 ノベルティ・その他準備物430,000円
 LP制作費WINK MARKシステム(月額3万円〜)
合計820,000円
来場者数46組
1 来場予約 単価17,826円
 契約数4組
 広告費における1契約単価205,000円

工務店の集客成功事例③ – 注文住宅の集客例

設計力やプラン提案力のクリエイティブを打ち出し、設計相談を獲得する

平屋住宅を検討している方を対象にしたマイホーム相談会イベント。平屋を検討するお客様が求める『デザイン性』や『プラン提案力』を表現できるよう、デザイン性の高いクリエイティブを使用しました。集客は主にSNS広告のみで行いました。

ポスティング(デザイン・印刷・配布)0円
イベント会場0円
インターネット広告181,000円
ノベルティ準備・その他準備物90,000円
LP制作費WINK MARKシステム(月額3万円〜)
合計301,000円
 来場予約 組数9組
1 来場予約 単価33,444円
 契約数1組
 広告費における1契約単価301,000円

工務店の集客成功事例④- 注文住宅の集客例

平屋の完成見学会の成功事例

2日間限定の完全予約制で開催した注文住宅平屋の完成見学会。注文住宅の実例を見ながらマイホームについて相談したい方を対象に集客。家具やディスプレイにもこだわり、完成度の高い見学会を実現しました。完成見学会集客では難しくなってきているという声を聞くことが多いが、チラシやバナーデザインの訴求方法を変えるだけ来場予約は獲得することができます。

ポスティング(デザイン・印刷・配布)350,000円
家具・雑貨レンタル80,000円(上質な家具)
インターネット広告45,000円
ノベルティ準備・その他準備物160,000円
LP制作費WINK MARKシステム(月額3万円〜)
合計635,000円
 来場予約 組数16組
1 来場予約 単価39,687円
 契約数2組
 広告費における1契約単価317,500円

工務店の集客成功事例⑤- 分譲住宅・建売の集客例

分譲用地の土地決済からのスピード広告による完成前販売集客

春に開催した完成前分譲住宅の新生活応援キャンペーン。マイホーム購入を検討されているお客様に向けて、ご成約特典として新生活をサポートする『Refa3点セット』と『30万円相当のシークレット特典』を用意しました。

ポスティング(デザイン・印刷・配布)260,000円
イベント会場0円
インターネット広告42,000円
ノベルティ準備・その他準備物150,000円
LP制作費WINK MARKシステム(月額3万円〜)
合計452,000円
 来場予約 組数15組
1 来場予約 単価30,133円
 契約数4組
 広告費における1契約単価113,000円

集客を仕組み化する|社内マーケティング体制の作り方

なぜ「営業任せの集客」が限界を迎えるのか

多くの工務店で見られる共通の問題点は、「営業が個人の感覚で集客している」ことです。属人的な集客は以下のような限界に直面します。

情報発信が止まりやすい:営業の繁忙期にSNSやブログ更新が途絶える。
反響の分析ができない:どのチャネルが成果に寄与したかを把握できない。
ノウハウが共有されない:成功事例が他スタッフに展開されず、組織として成長できない。

マーケティング視点のある体制をつくることが、今後の成長を左右します。

マーケ担当者が社内に必要な理由と役割

社内に「マーケティング担当者」を配置することで、以下のような効果が得られます。

マーケ担当の主な役割詳細
情報発信の企画・運用SNS、ブログ、メルマガ、動画などの計画的発信
反響の管理と分析LP別、媒体別のCV数、来場率のデータ収集と可視化
社内連携の推進営業・設計・広報との横断連携による反響率向上

ポイント:営業とマーケを分業し、互いの成果を連携させる“チーム体制”が鍵です。

経営者がマーケに関与すべき3つのポイント

・マーケティング予算を確保する
 広告・LP制作・動画撮影などは費用がかかるが、長期的な投資と考えるべき。

・経営戦略と集客方針をリンクさせる
 「価格帯」「ターゲット層」「差別化ポイント」が明確でないと、発信に一貫性がなくなる。

・数字で評価する文化をつくる
 資料請求・LINE登録・来場など、各ステップでKPIを設定し、継続的に改善する体制が必須。

代理店・外注活用の注意点と選定基準

外部パートナーを活用する際は、以下のポイントをチェックしましょう。

チェックポイント理由
工務店業界の実績があるか業界特有のニーズを理解しているか
数値管理が明確かレポート頻度や内容が曖昧な代理店は危険
自社スタッフと連携できるか丸投げではなく、社内と共同でPDCAを回せる体制が理想

注意:一時的な数値改善に偏った提案には要注意。
中長期のブランド形成に貢献するパートナーを選びましょう。

年間棟数別|ビルダーが取るべき集客アクションプラン

工務店の規模や年間棟数によって、優先すべき集客施策や課題は大きく異なります。
ここでは、20棟から300棟クラスまで、3つのステージに分けて、戦略を提示します。

年20〜40棟:まずは反響数UPとLP強化が優先

この規模のビルダーは、安定した集客基盤の構築が最重要課題です。

取るべき施策

・専用LPの制作:見学会・相談会・資料請求など目的別にLPを用意。
・Google広告・Instagram広告配信:狭いエリアでも商圏内に絞った出稿が可能。
・HPのCTA強化と導線整理:反応しやすい導線設計がカギ

担当者が不在のまま、丸投げで外注してもうまく機能しない。
問い合わせの対応スピードや初回対応の質も勝敗を分ける要素。

年50〜100棟:ブランディングと紹介設計が鍵

集客基盤が整いつつあるこの段階では、「選ばれる理由」を明確にし、紹介につながる仕組みづくりがポイントです。

取るべき施策

・施工事例の動画化・ルームツアーYouTube投稿
・Instagramで「暮らし目線」のストーリー発信
・OB会・感謝イベントの定期開催
・紹介キャンペーンの設計と告知

コンテンツが建築業者目線になりがち。顧客の「暮らし」にフォーカスすること。
社内で“紹介される対応”ができていないと、仕組みだけ整えても無意味。

年150〜300棟:マーケチームとPDCA設計が成長のボトルネックに

このクラスのビルダーは、社内にマーケティング部門の設置が急務です。

取るべき施策

・広告・SNS・紹介・HPを横断的に分析しPDCAを回す
・営業・設計・広報との合同MTGで情報連携を強化
・KPI管理と週次での施策改善ミーティング

施策が多くなると量だけの運用になりがち。
効果の出るチャネルに集中する勇気も必要。
短期施策と中長期施策のバランスが崩れないように設計する。

今すぐ見直すべき!工務店集客の改善チェックリスト10項目

以下のチェックリストは、「最近問い合わせが減ってきた」「何を改善すればよいかわからない」と悩んでいる工務店様に向けた【自己診断ツール】です。まずは、以下の10項目に当てはまるものがないか、ひとつずつ確認してみてください。

🔍 集客状況セルフチェック(チェックを入れて振り返りましょう)

まとめ|地域で選ばれ続ける工務店になるために

2025年以降、工務店が選ばれ続けるには「戦略」と「仕組み」の両輪が欠かせません。単発的な反響施策だけでなく、継続的に改善・蓄積しながら、地域の中で「選ばれる存在」として定着していく必要があります。

✔ 集客に悩む理由を正しく認識する

・住宅需要の縮小
・従来型集客の限界
・属人的な集客体制の限界

✔ 集客はフェーズ分けして考える

認知拡大フェーズ:「知られる」ための広告やSNS戦略
信頼獲得フェーズ:安心・共感を生むコンテンツ設計
商談誘導フェーズ:見込み客を確実に契約へ導く導線設計

✔ 集客チャネルは特性と落とし穴を理解する

・Web、SNS、チラシ、紹介、MEOなどチャネルごとに戦略を明確に
・単発ではなく連動性を意識した設計が重要

✔ 成功事例に学び、再現性を追求する

詳細は、下記ページをご確認ください。

✔ 社内体制の見直しと分業体制の構築

・「営業任せ」から「仕組み化」へ
・マーケティング専任者の育成または外注の賢い活用
・経営者自らのマーケティング感度を高めることが成果のカギ

✔ 年間棟数別のアクションを取る

・年20〜40棟:まずは反響UPとLP改善に集中
・年50〜100棟:ブランディングと紹介設計に力を入れる
・年150〜300棟:マーケ体制の整備とデータ活用がカギ

最後に:すべての戦略は「地域密着」の原点に立ち返る

どんなに手法が変わっても、工務店ビジネスの本質は「地域の信頼を得ること」に尽きます。
お客様の暮らしに深く関わり、家づくりを通して人生を支える存在として、地域で信頼されるブランドを築いていきましょう。集客においても、あなたの工務店ならではの強みやストーリーを活かすことで、他社には真似できない“選ばれる理由”が生まれます。

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この記事を書いた人

元不動産営業(3年)。WEBマーケティング歴8年目。リスティング広告、SNS広告、LP・コーポレートサイトのディレクション、SEO、GA4、GTM、MEOなどデジタルマーケティング全般に携わっています。インサイドセールス、パートナーセールス、コールセンターの運営などこれまで培ってきた経験を活かし、住宅不動産に関連する情報を発信してきます。

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