不動産系の動画広告のよくある失敗パターン|機会損失を防ぎ反響アップさせるには

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よくある動画広告の失敗とその回避法とは?

不動産系の動画広告のよくある失敗パターン|機会損失を防ぎ反響アップさせるには

不動産業界でも動画広告の活用が当たり前になりつつあります。
しかし「せっかく動画を作ったのに全然反響がない」「スタートまでに時間がかかりすぎた」という声も少なくありません。

本記事では、不動産の動画広告でありがちな失敗パターンと、反響アップのためにすぐ実践できる対策を解説します。

よくある失敗①:YouTubeとGoogle広告を連携しない

YouTube広告を配信したのに、反響が取れなかったことはありませんか?

動画の構成が良くない・行動促進をしていない、といった動画の内容については、別の章でお伝えします。

Google広告の管理画面から配信するYouTube広告ですが、注意点があります。
YouTubeチャンネルとGoogle広告アカウントを連携しているかどうかという点です。
未連携では動画広告を視聴したユーザーへのリマーケティングができず、せっかくの広告配信が「出しっぱなし」で終わります。

しかし、ただ連携するだけでは不十分です。
まずは、動画広告の視聴ユーザーをオーディエンスマネージャーでリストを作ってデータを貯める必要があります。
次に、そのオーディエンスリストを、配信ターゲットに設定したり、P-MAXキャンペーンのシグナルに活用したりします。
さらに、動画視聴済みユーザーに対して別の動画広告を配信する、という戦略も取ることができます。

【戦略例】
①会員登録を促進する動画広告を見てもらう
②動画広告を視聴済および非会員ユーザーに会員登録の動画広告を再配信(リマーケティング)
③会員ユーザーに対してイベント案内や来場予約の促進をする動画広告を配信(別の訴求)

【確認事項】
・YouTubeチャンネルとGoogle広告を事前にしっかり連携
・動画視聴済みのユーザーをリスト化してリマーゲティング配信・P-MAXのシグナルに活用
・イベント告知や来場予約の再訴求に活用

よくある失敗②:テレビCM風の構成をそのまま使う

動画広告をイメージさせるイラスト

テレビCMは「最後に社名やロゴを出してブランディング」する前提の作りが多い傾向があります。
冒頭で新築住宅の外観や家族が庭で遊ぶシーンなどを流し、商品やサービスの特徴説明と続き、
最後に社名・ロゴ・キャッチコピーを表示する構成が多く見受けられます。
ところが、WEB広告では、ユーザーが最後まで見てくれる保証はありません。
テレビCMのように最後に社名やロゴを見せる構成では、WEB広告の場合は途中離脱されると認知すらされません。
さらに冒頭で訴求がないためスキップ率が高く、行動促進設計も弱くなり、検索や来場に直結しにくい傾向があります。

WEB用に動画広告を作る場合は、冒頭でしっかり伝える設計が必要です。
最後まで視聴してもらえないことを前提に「冒頭」の「数秒」で刺さる訴求を入れる必要があります。

皆さんも興味ない動画広告はすぐスキップ・離脱しますよね。

ところが作る側にまわると、自分が作った動画はユーザーに全部見てもらえる前提で考えがち…、という罠があります。

真実をお伝えすると、WEBの動画広告の8~9割は冒頭5秒で離脱されます。

仕組み上、動画広告を「全員に全秒数、見てもらえる」なんて絶対にあり得ません。

ごく一部のターゲット層に刺さる訴求を表示し、動画の冒頭で興味を持たせて、「今すぐ予約!」と煽るぐらいがちょうど良いのです。

「素敵なテレビCMをつくったから、WEB広告でも流そう♪ あれ?反響ないなぁ…」と思ったことはありませんか?
テレビCM用の動画をそのままWEB広告に使おうとするケースも多いですが、おすすめできません。
実際、テレビCMの動画広告からサイトへ遷移させても、CV(反響)が得られないことが大半です。
CMの内容や構成を見てみると、『これでどう検索されるようになるの?』『行動促進してなくない?』という観点で、WEB広告の配信に不向きだという傾向があります。

【動画広告の構成・改善ポイント】
・動画の最初の3~5秒でロゴや社名、サービス名をアピール
・冒頭で特典や来場予約など行動喚起をストレートに提示
・離脱率データを確認して、冒頭の訴求を何度も改善
・最後にもう一度、行動促進のフレーズを明示する(例:今すぐ来場予約・無料で会員登録)
・テレビCMは「ブランド想起」設計、WEBの動画広告は「行動促進」設計と理解する

この構成なら、後で社名やサービス名が気になって検索するユーザーも出てきますね。

何度か同じ動画広告に接触し全部5秒でスキップ(離脱)しても、ロゴや社名が目に入って記憶に残ることもあります。

この動画を見てどういう行動を取ってほしいかがわかると、ユーザーも迷子になりにくいのです。

よくある失敗③:完璧を求めすぎて開始が遅れる

マーケティングを連想させるイラスト

長尺動画を作ろうとするケースも本当によくあります。
「言いたいことが全部入らないから30秒動画にしよう」とか、極端だと「3分の動画をWEB広告で流す」なんて話も…。
でも正直、「それ配信して誰が全部見るんですか?」って話なんです。
冒頭の数秒で離脱されるのが当たり前の世界。
最初に必要なメッセージを全部詰め込むくらいの気持ちで設計するほうが、圧倒的に成果が出ます。
WEB用の動画広告ならむしろ15秒にまとめて、最初の数秒で刺さる訴求を入れる方が成果が出やすいのです。

【注意点】
・何度も絵コンテを直して配信開始時期が遅れるより、早く出して数字を見て改善するほうが良い
・「全部伝える」より「最初に刺す」設計へ
・短尺15秒以内を前提に構成を絞る

動画の内容確認の段階で『クライアント様の社内の年配男性と若年層女性で意見が割れて進まない』というケースもありました。
これって、そもそもペルソナが違うんだから当然なんですよね。
確認者が多くなるほど意見も増え、どんどん時間はかかりますし、結果的に誰にも刺さらない“無難な動画”になってしまうリスクも高まります。
完璧を求めて何度も修正を重ねて、動画広告の配信開始が遅れるケースは実際多いので注意が必要です。

・目的とペルソナが不明確で「特定の人に刺す」設計をしていない
・確認や修正など社内調整の時間も場合によっては機会損失

ただし、誤解してはいけないのは、「クオリティはどうでもいいからとりあえず配信しよう」という話ではないことです。
動画内に映っているもの(物件の外観や内装)・文字のフォントや大きさ、見せ方など、会社として一定以上の基準を満たすものだけを配信しないと、ブランディングとして良くありません。

また、WEB広告の最大の強みは「すぐ出せてすぐ直せる」ことでもあるため、配信後も定期的に動画広告のブラッシュアップをすることが望ましいと言えます。

よくある失敗④:一発勝負で終わってしまう

たくさん新築分譲住宅が並んでいる住宅地の様子

動画制作にお金も時間もかけて「よし、これで完璧だ!」と出したものが、CVゼロ(反響なし)だったらどうしますか?
「修正できない」「何もやり直さない」
―――これが一番危険です。

よくあるのが『良い動画を1本完成させたら終わり』になってしまうことです。
お金も時間もかけて、立派な動画を待たされても、実際にCV(反響)を取れなかったら意味がありません。
それよりも、少し簡易なスライドショー的な動画でも、構成や訴求文言がしっかりしていればCVは取れます。
WEB広告は“出してみて、データを見て、すぐ直せる”のが最大の強みです。
『時間をかけて完璧を目指す』より、『とりあえず出して、数字を見て直す』ほうがずっと合理的です。

また、動画のチェックを行う人の修正指示も、単なる個人の好みで意見をしているケースは要注意です。
なんとなくこっちのほうが良い・なんとなく色をもっと増やす(減らす)といった指示に振り回されていませんか。
過去実績や他社事例を踏まえての修正指示や、ターゲットを意識しての修正指示なら問題ありませんが、数値の根拠がない・参考データがない状況で細かく修正を繰り返すのは、動画を編集する側も疲弊してしまいます。
このパターンの場合、修正に修正を重ねた結果、完璧なものができあがったと思い込んでしまいがちなので、動画広告の配信後に改善のためさらなる修正をするケースは少ないです。
これが一発勝負で終わってしまう危険性なのです。

不動産系の動画広告の改善例

構成や訴求文言、字幕の見せ方、BGMなど、様々な要素の改善を繰り返すことが重要です。
また、反響が取れた動画の要素を横展開することも可能となるでしょう。

【具体的な改善例】
・動画の最後だけでなく冒頭に行動促進のフレーズを入れて、完全視聴率が上がった。
・文字にドロップシャドウをつけただけで、スマホ視聴時の視認性が上がり離脱が減った。
・明るいBGMから落ち着いたBGMに変えたら、完全視聴率が上がった。
・物件数を推す訴求から高性能という訴求に切り替えたら、資料請求の獲得率が向上した。

完璧な動画広告の制作を待つばかりでPDCAを回さない広告代理店よりは、トライアンドエラーであらゆる成功と失敗を繰り返し、良い例も悪い例も持っている代理店ほど安心感があると言えます。

動画広告はPDCAを回して反響アップへ

動画広告は「最高傑作を1本作って終わり」ではなく「十分な品質で早く出して、数字を見て改善を繰り返す」ことが重要です。
完璧主義の一発勝負で機会損失するより、広告配信してデータを取り、PDCAを回したほうが成果が出ます。
「豪華な動画を作ること」=「成功する動画広告」ではありません。
構成や訴求がしっかりしていれば、制作費が抑えられていても成果の出る動画はつくることができます。
そして、テレビCMと違って、WEB用の動画広告はいつでも修正できるのが最大の武器です。

私たちは、年間250棟以上のビルダー様から年間数十棟のビルダーまで幅広いご支援をさせていただいており、動画施策へのお取組みを積極的に推進し、実際に動画の制作や広告配信に関するご相談が増えてまいりました。
当社では、不動産業界に特化した動画広告の制作・配信設計・運用改善までをワンストップでご支援しております。
反響をしっかり獲得できる動画広告をお考えの方は、お気軽にご相談ください!

この記事を書いた人

衛生機器や水まわり設備の営業3年、WEBマーケティング歴7年。注文住宅・分譲住宅・リフォームなど不動産業界の広告に関して、リスティング広告・DSP広告・SNS広告・ディスプレイ広告の運用、バナーの分析やLP改善立案、動画広告の構成案の作成と改善立案などに携わっています。

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